『学長対談』


中島 廣光 学長
×
河原 克己 氏

(ダイキン工業株式会社 執行役員/テクノロジー・イノベーションセンター 副センター長)

※コロナに対する万全の対策を経て実施しました。

中島: 昨年(2021年)は、本学とダイキン様との包括連携がスタートした記念すべき年になりました。今年は本格的な協創活動開始の年になります。

河原:そうですね。鳥取大学・ダイキン双方の事務局や各テーマ担当者が、毎週、場合によっては毎日のように、相互に協議を重ね、ソリューションベースの協創、「問いから考える産学連携」がスタートしました。

中島: 10年にわたる長期の連携です。本学の研究とグローバルな課題解決への道筋をともに創り出すことが目的です。2021年度は、小規模ながら「鳥取大学―ダイキン産学協創連携推進室」を整備し、活動を開始しました。

2021年、鳥取大学―ダイキン 産学連携協創推進室を開室した。

河原:一言で「空調」といっても、世界各地、乾燥地から湿潤地まで、その抱える課題は様々です。鳥取大学様とは、技術開発面からだけでなく、例えば乾燥地科学や文化研究の視点も含め、新たなコンセプトづくりからの協創に期待しています。

中島: 暮らしや食文化、インフラ整備のあり方など、「知の拠点」鳥取大学の様々な研究や情報を駆使した「鳥取―ダイキンモデル」の協創と実用化に向けて、今後の連携の広がりが楽しみです。

河原:例えばエアコンの形状も世界各地で様々。「フロンガス冷媒」を室内機に循環させるのは「日本モデル」です。他方、アメリカンスタンダードは「外から空気や冷温水を送り込む」スタイルです。グローバルNo.1空調企業として、今後も世界各地の様々な知見をとりいれた、地域に適合したデザイン化が重要になります。

中島: コロナ禍で、ヘルスケア領域での空調の重要性も改めて顕在化しています。

河原:「空気質」に関する考え方も、Covid19のパンデミック前後では大きく変化しているように思います。人々に寄り添う「空気×健康」の重要性が増しています。

中島: 大学は今、入学試験時期に突入しています。医療機関などだけでなく、教育・研究機関や公共施設における「空気質」のあり方も、ともに考えたい課題の一つですね。

河原:鳥取大学には、乾燥地研究など特色ある先端研究と機動的な実学との融合の伝統があります。医・農・工連携も含め、今後の協創の益々の発展を楽しみにしています。

中島: 今回は短時間の「ミニ対談」でしたが、ぜひまたゆっくりと協議できることを楽しみにしています。本日はありがとうございました。

鳥取大学乾燥地研究センター
アリドドーム

対談の様子(於 学長特別室)