『Gakucho Meet』
乾燥地研究センター教員編(令和2年11月)
乾燥地研究センターの現状は?
学長:
今の乾燥地研究センター(以下、乾地研)の規模についてはどうですか?
参加者A:
教員が10数人しかおらず、ポストが限られているため、そこで何ができるかというところです。人が増えることが一番うれしいですが、人が増えなかったら、農学部や工学部と情報交流をしながら進めていくのが一つであると考えています。
技術補佐員の方を雇用しても、長期間の雇用ができないため、途絶えてしまい、一から教えなければならないことが問題です。個人的な研究費で一人を雇うのではなく、いくつかの研究費を組み合わせたり、他の先生と一緒に一人の人を雇用したり、いろんなパターンができると、研究がはかどります。また、長く働いてもらえると助かります。
学長:
新しく雇用することが難しい場合、博士後期課程の学生が戦力になってくれますが、博士前期・後期課程の学生はいますか?
参加者A:
博士前期課程の学生は留学生と日本人がいましたが、昨年卒業し、今は博士後期課程の学生はいません。
参加者B:
乾地研のある研究室では、他大学から3名、鳥大農学部から2名の日本人学生が来ています。ホームページを見て、国際貢献できそうだという理由で来ています。自分で選択して来ていますので、日本人の中でも、意欲があり、自立していると思います。
今後の乾燥地研究センターはどう進んでいくべきか?
参加者B:
鳥取大学には乾地研と関連している国際乾燥地研究教育機構があり、日本の中の乾燥地科学のハブになると思います。日本の中には乾燥地がないため、日本にあるテクノロジーを海外のどこかの国に移転するというプラットフォーム的な考え方がいいのかなと考えています。実学としてある問題を解決するために、乾地研や国際乾燥地研究教育機構が、みんなで頑張るという組織になっていけば、鳥取大学だけでなく、国内の他大学とも一緒にやっていけると思います。また、技術移転する明確なビジョンがあればいいと思います。
学長:
ネットワークの中心になればよいですね。
参加者B:
ネットワークの中心となることが重要だと考えています。ハブ空港のように、乾地研がハブになって呼び込む形になればよいと思います。農学は実学であるため、実際の問題を解決して、みんなが幸せになればいいと思います。
参加者Aも話していましたが、乾地研はマンパワーが足りないと思います。そこで、いいなと思うのが、テクニシャンのプールを鳥取大学で情報共有して、外部資金が採択出来たら、そこから雇用することです。大学の研究者間でリスト化により情報共有ができると思います。
参加者C:
乾地研の強みは国際共同研究があること、これは鳥取大学の強みでもあって、参加者AやBの発言のとおり、その連携を一層強化して乾燥地研究に貢献することが、乾地研が今後発展していくためになると思います。コロナ禍で海外だけに研究拠点を持っていると、渡航ができないため研究が進みません。渡航についてはいずれ解消されると思いますが、乾燥地で研究することが主体であって、サブ研究として乾燥というキーワードを持っていれば、これから国内でも気候変動で乾燥の影響を受けるようなことがあると研究ができるかもしれません。乾燥というキーワードで国内外において研究に取り組めることもあるのではないかと思います。
参加者AとBが言ったようにマンパワーは足りません。いろんな分野の先生がそろっているので、まずは内部連携を強めて一緒に取り組むことが必要だと思います。
学長コメント ~若い教員との会話の中で印象に残ったこと、共感したこと~
センターの規模の小ささ、マンパワーのなさは、「乾燥地」というキーワードの下での学生や学内の他部局の教員との連携、国内外の他の研究者との連携で解消できる、と強く思います。